
「知らなかった」では済まされない
近年、若者の政治参加が広がる一方で、善意の行動が公職選挙法に抵触し、 事件に巻き込まれるケースが増えています。
SNS時代の落とし穴
何気ないSNS投稿や、善意からの拡散が、選挙運動とみなされ法律違反になることがあります。
巻き込まれる若者たち
政治に関心を持つことは素晴らしいこと。しかし、知識不足のまま活動に参加し、意図せず違反者になってしまう若者がいます。
政治家の責任
選挙法は政治家にとっての「業法」。一般市民を違反に巻き込まない責任と、時代に合った法改正を進める責務があります。
こんな行動、大丈夫ですか?
日常的にやってしまいがちな行動の中にも、選挙法違反が潜んでいます
投票日にSNSで「○○に投票して!」と投稿
投票日当日の選挙運動(投票の呼びかけ等)は禁止されています。特定の候補者への投票を呼びかけるSNS投稿は違反となります。
根拠:公職選挙法 第129条(選挙運動の期間)
出典:総務省:インターネット選挙運動選挙の応援をしてくれた人に食事をおごる
選挙運動に関し飲食物を提供することは原則禁止されています(第139条)。応援者への食事の提供は、買収罪(第221条)に問われる可能性もあります。
根拠:公職選挙法 第139条(飲食物の提供の禁止)・第221条(買収及び利害誘導罪)
出典:総務省:選挙違反と罰則友人にLINEで「この候補者に投票して」とメッセージ
LINEのトークは法律上「ウェブサイト等」に分類され、一般有権者も投票依頼に利用できます。ただしLINEの「メール機能」は電子メールに該当し、候補者・政党等のみ利用可能です。
根拠:公職選挙法 第142条の3(ウェブサイト等を利用する方法による文書図画の頒布)
出典:産経新聞:メールはNG、ラインはOK?候補者のポスターを許可なく自宅の塀に貼る
選挙運動用ポスターは指定の掲示場に掲示するのが原則です(第144条の5)。また、ポスターの掲示には建物管理者の承諾が必要です(第145条第2項)。無断掲示は違反の可能性があります。
根拠:公職選挙法 第144条の5(ポスター掲示場)・第145条(掲示の承諾)
出典:久喜市:ポスター掲示に関するQ&A未成年の子どもに選挙の手伝いをさせる
18歳未満の者は選挙運動をすることができません。手伝いを依頼した側も処罰対象です。
根拠:公職選挙法 第137条の2(年齢満十八年未満の者の選挙運動の禁止)
出典:e-Gov法令検索:公職選挙法投票所で投票用紙を撮影してSNSにアップ
投票所内での撮影を直接禁止する規定は公職選挙法上ありませんが、多くの自治体が投票管理者の秩序維持権限(第60条)により撮影を禁止しています。また、撮影した写真で特定候補者への投票を呼びかけると、投票日当日の選挙運動(第129条違反)に該当します。
根拠:公職選挙法 第60条(投票管理者の秩序維持権限)・第129条(選挙運動期間)
出典:千葉県選管:投票所での撮影Q&A代表メッセージ
浅見 純一郎
私は江東区選挙管理委員長として、区民の皆さまの選挙参加を支える立場にありました。 その経験を通じて、選挙に関わる法律の複雑さや、善意の行動が思わぬ法律違反につながりうることを強く実感してきました。 実際に報道等でも、一般の方が知らないうちに公職選挙法に抵触し、事件に巻き込まれるケースが見受けられます。
特に、政治への関心が高まっている若い世代が、純粋な気持ちで参加したにもかかわらず、 法律の知識不足から思わぬトラブルに巻き込まれる姿は、いたたまれないものがあります。
レストランには食品衛生法、建設業には建設業法があるように、 政治家にとっての「業法」は選挙法です。 政治家こそが選挙法を守り、一般市民を巻き込まないこと。 そして時代に合わない法律は、立場ある者が自ら変えていくこと。 それが「みんなの選挙法」の願いです。